●● ケーキ ●●
「カカシ先生ってケーキみたいだってばよ」
こんな事言ったら笑われるからいわなかったけど。
なんて言いながらホットミルク飲んでナルトは笑う。
笑う前にケーキなんて例えされたの初めてで面食らった。
男性向けの賛辞はほぼ浴びつくした俺に物凄く甘い例え。もっともその言葉が賛辞かどうかは知らないけど。
「何それ。褒められてるの?」
「褒めてねえってば」
「じゃあ悪口?」
「悪口じゃねえってば」
テーブルに片肘ついてナルトに詰め寄る。キョトンとして俺を見上げるナルトの方がケーキじゃない。甘いもの嫌いだけどナルトは別。
「何でケーキ?」
「顔」
「顔?!」
ますます以外。
甘いマスクって事?
「だって、先生ほら。切り取られてる」
そういって自分の右側をしきりと指差す。
「いや、他を隠してるだけで……」
「ケーキさ、丸いけど切られて売られてるのあるってば。で、その切られてるのって丸い奴の一部だってばよ。だから先生の顔ケーキみたいなんだってば」
まったく、この子は。
手を伸ばし頭をくしゃくしゃ撫でる。止めろってばと言いながらもきゃあきゃあ笑ってる。
こんなに子供なのに時々ふっと凄い大人の顔をしたり。
きっと一部しかこの子は見せてないんだろうね。俺にも他にも。
「お前の方がケーキみたいじゃない」
「顔、隠してねえってばよ?」
「考えが甘すぎなとことか」
「何だってばよ!!」
ワンホール丸々食べてあげるよ。ナルトのケーキなら。
「ワンホール食べてみる?」
言いながら俺は口布に手をかける。ナルトはどう言う事? と首をかしげて俺を見ていた。
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