■闇を掴む手
子供にとっての英雄は四代目だった。
ニュースや子供向けの雑誌に特集を組まれていて、何時だって子供の英雄だった。
子供は思いを馳せる。
空想する。
何時だって空想の子供はかっこよく四代目と戦って敵に勝利していた。
でも、ふっと何時も現実に戻ると遠い存在に感じる。
そして、彼の隣にいる自分と同じ年齢の、空想の自分と同じ活躍をする子供が憎くもあり、羨ましかった。
英雄が死んだ日はまるで自分が殺された様に心が痛かった。
ある日子供は事故にあった。顔がつぶれてしまうような大爆発で奇跡的にも助かった。元の顔に復元すると言った医師に頼み込んではたけカカシそっくりに整形してもらう。自己満足だった。苗字が違うだけのもう一人のカカシになりたかったのだ。
四代目が好きなもの同士が集まる会があると聞いて子供は大人になった時にその集まりに参加した。
皆が皆四代目を好きでたまらなかったものたちだ。
詳しいものや、意見をぶつけるものや、集まりは中々熱気のある楽しい会だった。
ある日、医療忍者だという女性が子供に話しかけてきた。
生き返らせることが出切る。私もあなたも特別な人間なの。私の力とあなたの力をあわせれば四代目は生き返ることができるのよ。
子供は否定して笑った。
医療忍術にそういう術があるのよ。ほら。
忍者はいけ作りの魚を手のひらを当てて復活させた。
「私達は英雄になるの。四代目を生き返らせて英雄になるのよ」
かつての空想の自分が蘇ってくる。
「私ね。返魂の術というのを知っているのよ。昔死んだ人が生き返るのよ。でもね、それには生贄が必要なの。生贄を手に入れるのは簡単だと思うけど、ねえ、実験したいの。四代目そっくりにつくった魂の器に四代目が蘇ったら。大人は駄目ね。力が強くて抵抗されてしまうわ。子供がいいわね」
闇の手が見える。甘く手を伸ばしている。
ゆっくりとたなかカカシは手を伸ばして、闇の手をとった。彼女はもう闇の中に沈んでいて見えなかった。
闇の中は心地よく彼はそのまま丸くなった。何時までもここにいたいと思う。
闇は彼を包み込んでくれたのだ。
おわり