■生活
暗部二人が暗躍している間にナルト達がする事といえば自来也は小説家という職業を生かし、取材と称しては情報を集めていた。ゲンマは自来也が用意した新聞社の社会部に勤めている。新聞社公認で殺人鬼のデーターを集めている。ナルトは何をしてるかというと小学校に通っていた。
子供の噂というのは案外馬鹿に出来ない情報があるからお前は小学校に行って集めて来いという自来也の命令だが、声を封印して情報を集めろもないだろうなとナルトは少し自来也を恨む。
「不知火くんのクラスの担任の先生は怪我をされてしばらくお休みなの。出てきた時に紹介してあげるわね」
そういいながら副担任の先生はナルトの先に立って歩いた。白ブラウスにタイトスカート中々のスタイルでナルトはラッキーと笑った。歩くたびにヒップの動きが分かり、あーこうやって歩けばいいのねと、お色気の術に取り入れようとしている。
ナルトはこの小学校で不知火ナルトと名乗ることになり、声帯を最近手術したばかりだと言うことになっていた。首にぐるぐると包帯が巻かれている。
おいおい婿養子じゃなかったのかよ。
不知火姓を名乗るとき思ったのだが、要はナルトのフルネームがばれなければいいのだと、自来也はそういった。
転校早々、口をきかない容姿も派手ということで喧嘩も耐えなかったが子供というのは一度喧嘩してしまえば受け入れるもので、口が利けなくてもうまくやってる。なまじ九尾を知ってる里より過ごし易い状況かもしれない。
「おう、学校はどうだ?」
夕食の席でゲンマに聞かれてナルトは笑顔全開で頷いた。学校であった事も話したかったが声が出ないので身振り手振りで伝える。
飯を掻き込みながら自来也は横目でナルトを見た。
「まだ外れんのか。情けないの」
むっと目を細めて自来也を睨むが睨まれた本人は我関せずとばかり飯をかき込んでる。箸で自来也をしきりと指すので、大方、エロ仙人はどうなんだよ! と言ってるのだろう。
「わしか? 万事順調よ」
そういってカカカと笑う。面白くなさそうにナルトは味噌汁を啜った。今日の食事当番は自来也で意外と料理上手なのに驚いた。最初は当番せいでと言うことになっていたのだが、ゲンマの仕事は時間があってないものだし、ナルトと自来也の当番制ということになった。
「こっちは、今のところは新聞やニュースでしか報道されてる事しかないですね。明日は保安部の記者クラブにいってちょっと調べてきますよ」
火影から派遣されたとなればかなり保安部の内部まで入り込めるはずだからとゲンマは言う。
「そういや、ナルト。小学校には宿題というものがあるはずだの」
じろりと睨まれてナルトはうへえと言う様に顔をしかめた。
「アカデミーよりは大分簡単じゃろが」
そうだけどよー。俺、そーいうのやるの嫌い。
唇を尖らせて不満そうな顔をしている。たまらず自来也は噴出した。
「お前の顔は本と、お喋りだのう!」
なんだってばよ!
顔を赤くしてナルトが怒る。
「メシが終わったら見せてみろ。わしも興味があるからのー」
不満そうに頬を膨らませると、ナルトはご飯を口に運んだ。